第11回アジア農村医学学術会議総括

◇第11回アジア農村医学会議    主催者の英文案内 (First Announcementより)
              アジア農村医学会について


第11回アジア農村医学学術会議総括について

インド農村医学会(AAMRHI)と提携し,プラヴァラ医療トラスト(PMT)2008年2月22日から24日にかけて,アウランガーバード市ウエルカムホテル・ラマ・インターナショナルで,第11回アジア農村医学学術会議を開催した。

 

 インドで農業医学と農村保健の概念を新たに開拓したプラヴァラ医療トラストは,国際農村医学会とアウランガーバード市のババサヘブ・アンベドカール・マラスワダ大学の協力を得て,この学術会議を共催した。

 この学術会議は,国際農村医学会(IAAMRH),ババサヘブ・アンベドカール・マラスワダ大学(アウランガーバード市),インド医療学術会議,インド医学研究委員会,インド政府核関連学術調査委員会とスウェーデン国際開発協力委員会(SIDA)によって協賛された。

 この学術会議のテーマは,2000年9月国連がジュネーブで開催し,196カ国の代表が参加した[21世紀サミット]で提起され,各加盟国が2015年までに達成する「ミレニアム開発目標」(MDGs)として知られる目標を設定した「アジアにおけるミレニアム開発目標達成への総合的アプローチ」であった。

 この学術会議では,極貧と飢餓の根絶,男女の平等,母性の健康の改善,幼児死亡率の低減,HIV/AIDS,マラリアやその他感染症対策,パートナーシップによる環境保全といったMDGに関わるあらゆる問題点が論議された。

 この学術会議は,チェンナイ市の「女性のためのワーキングフォーラム」座長ジャヤ・アルナチャラム博士,国際農村医学会会長アショック・パティル博士によって開催され,この学術会議の目的について発言があった。開会が正式に宣言されたあと,ジャヤ・アルナチャラム博士と国際労働機関(ILO)上級専門技官シェングリ・ニウ博士による基調講演がなされた。

 基調講演に引き続き,二つの本会議が行われた。第一回の本会議では,農村環境における健康を期すMDGに関わるものであった。この本会議の演者は,ジン・スーン・キム博士(韓国),ショブハ・アロール博士(インド)とK・プラカシャンマ博士(インド)であった。第二回のの本会議での演者は,川村功博士(日本),マルコス・G・アヤングア博士(フィリピン)とアメッライト・バヨワン博士(フィリピン)であった。学術会議最初の日の日程は,農村地域における健康に影響を与える因子関連の主題に関する発表質疑で終了した。

 二日目の日程は,「母子の健康(MDG4MDG5)――サービス提供の宣言」に関するシンポジウムで開始された(主催:SIDA)。このシンポジウムでの演者は,MGIMS学長S・チャブラ博士(セヴァグラム,インド),ヴィノジ・マニング(IPAS,インド),ダドゥヒチ・マニング博士(インド母乳奨励機構プロジェクト・コオーディネイター)アンジャリ・サクウジャ女史(SIDA計画担当官,インド)とアサ・アンダーソン女史(SIDA第一書記,インド)であった。

このシンポジウムのあと,「全体的な人間的ならびに社会的アプローチを推進する際における健康に関わる大学の適応性と責任」(インド医療学術会議主催)についてのCMEが開催された。このセッションでの演者は,ダッタ・メゲ医科大学副学長ベッド・プラカシュ・ミシュラ博士(インド),国際農村医学会会長アショック・パティル博士(インド),ナターシャ・メイヤーズ女史(QIT,オーストラリア)とソマスンダラム教授(PIMSDU,インド)であった。

 同日午後,農村保健と人口統計学的状況と男女差別的偏見に関して,二つのセションが開催された。全世界から参集の著名な学者や固執衛生の専門家がこれらセションで学術発表を行った。

 最終日の最初には,「環境と労働衛生の展望と挑戦」に関する本会議が行われた。この本会議での主な演者は,韓国農村医学会会長ヒュン・スル・リム博士,プラヴァラ医科大学KV・ソマスンダラム教授とロニ医科大学医学部部長S・C・チワリ教授であった。

 

 本会議のあと,「労働衛生と女性に対する暴力と犯罪(部族の健康を含む)」に関連する主要テーマについてのセションが行われた。学術会議は「女性の健康と栄養」に関連する主題についてのセションで終了した。

 学術会議中,関連する主題に関するセションで,数多くのポスターが発表された。

 昼食後のセッションでは,「アウランガーバード宣言」(案)に関して討議がなされた。参加者提案による修正後の宣言案は,「アウランガーバード宣言」として承認された。本学術会議は,国際農村医学会アジア部会総会をもって終了した。

 また,国際農村医学会アジア部会理事会が,第11回アジア農村医学学術会議中に開催された。理事会の会議の出席状況は良好であった。学術会議では,17カ国を代表する約250人の内外参加者があり,基調講演,シンポジウムやCMEを除き,口述やポスターで色々異なるテーマについて演題発表がされた。


    | セキュリティプライバシーポリシー著作権について
All Rights Reserved, Copyright(C) The Japanese Association of Rural Medicine