[農村の生活習慣病部会]

 

1.統括責任者:塩飽邦憲・島根大学医学部特任教授

 

2.研究期間   平成19年4月〜

 

3.研究協力施設

研究協力の承諾を得た全国の厚生連病院、大学機関35施設

 

4.研究目的

WHOでは、内臓肥満、インスリン抵抗性、高中性脂肪血症、高血圧を包括した代謝症候群metabolic syndromeが生活習慣病の要因として重要であることを提唱している。そこで、「健康21」の主要課題でもある生活習慣病に着目し、生活習慣病の現状を把握し、生活習慣病の予知予防と関連疾患の発症予防を推進する目的で、その危険因子や代謝症候群因子について検診、ドックの検査データを収集・解析・評価するコホート研究を多施設で展開する。

 

5.研究方法

人間ドック、健診、検診受診者を対象としたコホート研究。

対象は、検診、健診、ドック受診者で、2007年4月1日時点で3079歳の男女(昭和2年4月2日〜昭和52年4月1日出生)とする。

 

 

6.平成27年度研究概要

本研究は、人間ドック、健診受診者を対象としたコホート研究である。

島根大学の登録症例については、エンドポイントである死亡と要介護についての追跡が可能な体制ができたが、土浦協同病院では、自治体やJAとの連携体制が構築できておらず、検討中である。事務局を土浦協同病院から島根大学医学部に移行したが、データ移管が完全には終了していないが、職員を対象としている他の厚生連病院での追跡について検討を行った。

研修会を開催し、コホート研究管理ツールやエンドポイントについて検討した。研究成果は第63回日本農村医学会学術総会で発表した他、日本農村医学会誌や国際誌に論文発表した。

 

1. Isomura M, Wang T, Yamasaki M, Hasan MZ, Shiwaku K, Nabika T. Aldehyde dehydrogenase polymorphisms and blood pressure elevation in the Japanese: A cross-sectional and a longitudinal study over 20 years in the Shimane CoHRE Study. Disease markers 2015, 825-435, 2015

2. Takeda M, Hamano T, Kohno K, Yano S, Shiwaku K, Nabika T. Association between geographic elevation, bone status, and exercise habits: The Shimane CoHRE Study. International Journal of Environmental Research and Public Health 12, 7392-7399, 2015

3. Yamasaki M, Iwamoto M, Nogi A, Hashimoto M, Nabika T, Shiwaku K. The interaction of Apolipoprotein A5 gene promoter region T-1131C polymorphism (rs12286037) and lifestyle modification on plasma triglyceride levels in Japanese. Nutr Res Pract 9, 379-384, 2015

4. Hamano T, Li X, Tanido M, Nabika T, Shiwaku K, Sundquist J, Sundquist K. Neighbourhood deprivation and risk of age-related eye diseases: A follow-up study in Sweden. Ophthalmic Epidemiology 22, 308-320, 2015

5. Yano S, Nabika T, Nagai A, Hamano T, Yamasaki M, Isomura M, Shiwaku K, Yamaguchi S, Yamaguchi T, Sugimoto T. Interrelationship between glucose metabolism and undercarboxylated osteocalcin: a cross-sectional study in community-dwelling population. Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 24, 489-495, 2015

6. Ferdaus SI, Kohno K, Hamano T, Takeda M, Yamasaki M, Isomura M, Shiwaku K, Nabika T. Altitudes of residential areas affect salt intake in a rural area in Japan: A Shimane CoHRE Study. Hypertension Research, 38, 895-898, 2015

7. Ito T, Takeda M, Hamano T, Kijima T, Yamasaki M, Isomura M, Yano S, Shiwaku K, Nabika T. Effect of salt intake on blood pressure in patients receiving antihypertensive therapy: Shimane CoHRE Study. Eur J Int Med 28:70-73, 2015

8. Kitayuguchi J, Kamada M, Hamano T, Shiwaku K, Kamioka H, Okada S, Mutoh Y. The effect of knee Pain on gait speed decline in rural Japanese community-dwelling older adults: 1-year prospective cohort study. Geriatrics & Gerontology International 16, 55-64, 2016

 

 

7.平成28年度計画

(1)事業方針

人間ドック、健診受診者を対象とした第一次コホート研究でのエンドポイントの情報収集を行うとともに、農業の介護予防効果を明らかにする第二次コホート研究の準備を行う。

 

(2)第二次コホート研究の目的と概要

1)目的

超高齢化の進行により、国民の医療や介護の需要が急速に増加することが見込まれ、高齢者が自立して生き生きと暮らすことが強く求められている。「高齢者は身体機能や認知機能が低下する」といった既成概念で括ることは適切ではなく、日々の生活習慣により個々人によって状況は大きく異なっている(秋山弘子「長寿時代の科学と社会の構想」)。

「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える高齢者が30%を超えるとの報告も有り、知恵や技術を豊富に有する「アクティブシニア」を増やす必要がある。農林漁業従事者は、他の就業者に比べて、「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える割合が高い(農林水産省「高齢農業者の営農や地域活動への参画に関する意向調査」2009)。また、非農業者が、退職後、趣味的な農作業に親しむ割合も増加しつつある。地域保健医療福祉の拠点である厚生連病院は、市町村と協働し地域包括ケア(医療・介護,住居,食,生きがい・働きがい)の実現に寄与することが使命である。

農業従事日数,ソーシャルキャピタルと健康寿命との関連を明らかにするために,要介護未認定の65-74(オプションで80歳まで)の農業従事日数群別の死亡、障害、医療・介護費用を追跡する。

 

2)年度計画

2016年度に研究準備を行い、研究計画を倫理委員会に申請し、調査票および問診票、説明書・承諾書の印刷を行い、参加機関を募る。

2017年にベースライン調査を65-74歳の要介護非認定者(特定健診データが得られるため,健診データが得られる場合は80歳まで)5,000人に対して実施する。追跡期間を5年間都市、市町村や広域組合と連携し、死因、要介護の追跡調査体制を構築できる対象地域を選定(アウトカムデータを確実に得るため)する。追跡調査は、定期健康診断・ドックに加えて、死亡、要介護認定とし、オプションとして医療・介護費を収集する。

なお、この研究は2017年度のベースライン調査以降、共済連等との共同研究として、費用分担を頂けるように、交渉する。

 

(3)研究成果の発表等

研修会の開催。

日本農村医学会学術総会での研究発表、日本農村医学会誌等への論文投稿をを行う。

 

(4)平成28年度 経費見込額 概算100万円

 


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