日本農村医学会理事長あいさつ
2023年10月19 日に開催された日本農村医学会第200回理事会にて理事長を拝命した新潟県厚生農業組合連合会佐渡総合病院病院長佐藤賢治です。 2021年10月の第23期理事長就任に引き続き、第24期理事長を務めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
日本農村医学会は1952 年に設立され、1961年には日本医学会に50番目の分科会として加盟しています。理事長は初代の若月俊一先生から登内眞先生、林雅人先生、山根洋右先生、藤原秀臣先生、早川富博先生、新谷周三先生を経て8 代目となります。2期目とは言え、歴史ある学会の理事長として心新たに臨む所存です。
日本は少子高齢化が急速に進み、世界が経験したことのない社会に突入しています。すでに医療対象の多くが高齢者であり、生産年齢・小児人口の減少は、高齢者のみならず社会そのものを支える人口が減っていくことを意味します。医療福祉は本来、連携の中で機能しますが、少子高齢社会では多職種による連携・協働の重要性が飛躍的に高まり、これなしには機能不全に陥ります。
日本農村医学会の会員は全国の厚生農業協同組合連合会病院と多くの大学・研究機関から構成され、会員数は2023年10月時点で5,000名を超えています。当学会では、医療資格者や研究者から病院事務職まで様々な職種が学会発表を行い、学会誌に論文を投稿、研究プロジェクトに参加し、職種の垣根を越えた知見が集まります。こうした特徴は、多職種の連携・協働を求める少子高齢社会において大きな価値を生み、この価値の提示こそが当学会の役割であり、責務です。
第23期の学会活動では、急激な社会情勢変化に呼応した体制の整備、国際的交流の中での役割見直し、多様化する論文投稿への対応を行いつつ、研究の柱として、従来から継続してきた農村医学に加えて地域医療・多職種協働を明示しました。これからも、学会の役割・責務を見つめ続け、未来に資する提言を発信していきます。未来を創造していく源泉は多くの力の結集です。会員のみなさまには積極的な学会参加を、学会外の方々には当学会へのご支援、アドバイスを心よりお願い申し上げます。
2023年10月 日本農村医学会理事長 佐藤賢治