日本農村医学会雑誌へ投稿しましょう!
令和5年10月19日に2期目を迎えた佐藤賢治理事長のもと,理事会メンバーも刷新されました.編集委員会も新たな委員構成となり,立身政信前委員長に替わって私が編集委員長を拝命しました.重責に身の引き締まる思いです.
日本農村医学会は,創立以来70年にわたり地域性と学際性と実践性を重んじて,農民のための医学を作り上げてきました.農村地域では農村環境や農業労働を含めた農村社会を背景にした生活が営まれます.その中で行われる日常医療において特徴的な病態や健康障害が見出され,学会誌に報告されることで疫学的・衛生学的な研究に発展し,価値ある論文となって農村の保健医療をレベルアップさせていくことになります.臨床医学的研究は農村医療の技術向上のみならず,学際性・共同性を向上させ,農民の健康保持増進に役立てられます.疫学的研究は農民のQOLを向上させ,衛生学的研究は農業労働の安全性・効率性・省力化等に貢献し,社会医学的研究は高齢化する農村社会の安定と安心そして幸福をもたらしてきました.
近年日本は世界で類を見ないほどのスピードで少子高齢化社会が進んできており,過去の農山間地域が抱えていた社会問題,医療問題が日本全国で取りざたされています.これまで積み重ねてきた本学会の学術研究がこれからの各地域の医療・福祉対策にも役立つものと思われます.
本学会の会員は地域医療をになう多職種の医療者で構成されており,医療のみならず,介護,福祉の分野で活躍している方々もおられます.佐藤理事長の掲げる多職種連携による活動は,他の学会と異なる視点から新しい成果をもたらします.チーム医療としての活動や研究成果を,職種の垣根を越えて多職種の著者として学会誌に投稿してください.原著のみならず,症例報告や臨床経験の短報も大切です.貴重な経験を共有するだけでなく,新しい研究テーマの種をまくという意味でも大切な投稿であると考えています.
投稿された原著は2名の査読者が審査し,看護研究報告を含む報告,症例報告,資料は,編集委員が査読します.投稿規程に照らして問題点のあるものはその箇所を指摘し,著者に訂正をお願いしています.
英文抄録の作成は編集委員会に依頼することも可能です.
また,会員の利益相反状態の公正なマネージメントのために「医学系研究の利益相反(COI)に関する指針」に基づき,投稿時には利益相反(COI)の開示をお願いします(詳細は本学会HPトップページに掲載).
編集委員長 西脇伸二